近年、日本ではキッチンカーが急速に発展しており、消費者を引き付けるための歩行者専用エリアや、消費者が立ち寄りやすいように、キッチンカー用のレンタルレンタルスペースも提供されています。またいくつかの商業エリアでは平日のランチタイムにキッチンカー用のレンタルスペースが提供され、近隣オフィスに勤めるサラリーマンがテイクアウトを買って帰り、飲食店に留まる必要なく、毎日違う種類のランチを食べられるよう、工夫されています。
香港人のナタリーさんと、香港と台湾のルーツを持つライアンさん夫婦が営むキッチンカー【Hocha <好茶> 】はランチタイムをメインに、香港式チャーシュー玉子ご飯やライアンさんの台湾の母の味を伝授した魯肉飯をメインに販売してます。また忘れてはならないのは夫婦が懸命に研究した魚肉シューマイと茶餐廳レベルに達した香港ミルクティーとレモンティーです。
ゼロからスタートしたフードトラック経営への挑戦
ナタリーさんとライアンさんは2020年に留学で来日しました。当初はコロナの影響により、就職が難しかったため、サラリーマンにならず、ゼロから起業し、自らビジネスをすることに決意しました。後に、実店舗のレストランよりキッチンカーのほうが取り組みやすいと知り、情報収集に努め、さまざまな無料のビジネスセミナーに参加し、キッチンカーの申請手順やビジネスモデルについて学びました。最終的に、2021年にキッチンカーの運営を決め、その後、ライセンスとビザの申請に成功し、約半年後の今年(2022年)4月に正式にオープンしました。
昔ながらの香港への惚れ込み
Hocha のキッチンカーを遠くから見ると、「営業中」の香港のミニバスの看板が置かれております。香港の市場でよく見かける卵を照らすための赤いランプなどから、ナタリーさんとライアンさんが香港要素がとても好きであることがよくわかります。 キッチンカーの内外には、赤、白、青のビニール袋やブタの貯金箱、香港の道路標識など、香港の特徴に満ちた装飾がたくさんあります。
香港のお茶と食文化を日本へ
Hocha がこの名前にしたのも、ナタリーさんとライアンさんが香港のお茶と食文化を日本に持ってきたい思いがあるからです。
Hocha のメニューは主に、かつて茶餐廳のドリンク作りを学んだことがあるナタリーさんが考案しています。 開店当初、ナタリーさんは香港の特産品の一つである手撕雞 (ほぐしチキン) をメインとしていたが、思いの外、売れ行きは良くなかったそうです。「日本人は見た目を気にする傾向が強く、皆インスタ映えを考えるため、チキンの細切りの色も比較的単調で、映えなかったことにより、魅力的に感じなかったと思う。」
その後、彼らは別の特色のある香港料理に切り替えることを決めました。でも他でもよく見かける黯然銷魂飯 (アム・イィン・シウ・ワン・ファン、目玉焼きチャーシュー丼) を避けたいため、叉燒滑蛋飯(チャーシューオムライス)を考えたのです。「日本人はオムライスが好きな人が多いので、叉燒滑蛋飯(チャーシューふわトロ玉子ご飯)を日本語で、【チャーシューオムライス】と命名しました。」
Hocha は主に平日の商業地域で開店しており、多くの日本人サラリーマンが買い求めに来ます。初めはあまり香港のソールフードがわからない方は魯肉飯を選びますが、二回目以降となると他のメニューの、香港のソールフードを選んでいただけるようになります。たまに学校付近で開店することもあり、香港人留学生が故郷を恋しくなって、チャーシューオムライスと魚肉シューマイを食べに来ます。軽食は魚肉シューマイ以外に、香港で最も有名なエッグワッフルがあります。「以前にとあるおばあちゃんがエッグワッフルが何かわからず、どんなものなのかを説明しました。試しに一つ買っていただいて、すぐさま美味しいと言っていただき、お家にお持ち帰りするため、追加で買って頂いたことがあります。そのときはとても感動しました!」
満足のいく具材の割合を得るために何百個のシュウマイを試食
コロナの影響によって、多くの在日香港人は香港料理が恋しくなり、特に懐かしむのは「得難い一粒」の黄色い魚肉シューマイです。 Hochaが自家製の魚肉のシューマイを作ったのもこのためです。 ナタリーさんの曰く:「実際にシューマイを作るのは難しくありません。レシピを見つけるのも難しくありません。但し満足のいく具材の割合を達成するには、これに対する答えはなく、自分でゆっくり調整する必要があります。」
ナタリーさん自身は魚の香を好むが、粉の食感を好む香港人が多く、両者のバランスを取るのに、ある程度の難易度があったそうです。両者のバランスをとるために、ナタリーさんとライアンさんは材料の比率を慎重に調整し、3〜4か月間シュウマイ試作し、その間に百個以上のシュウマイを試食しました。「やっと納得のいく魚肉シューマイができた瞬間、私たち感動しました。」
全て在日香港人へ
最後にナタリーさんとライアンさんが日本に住んでいる香港人へのメッセージ:「もし故郷が恋しくなったら、いつでも私たちのところに来てシューマイを食べて、香港ミルクティーとレモンティーを飲みにおいで!」