コロナが落ち着き、行動制限が緩めたことにより、2023年に披露宴を行う人も多く、筆者のところには、すでに3件の招待状が来ております。
前編では香港の結婚式の流れや儀式を紹介しましたが、今回は香港の披露宴やお祝儀についてご紹介します。
披露宴
広東語では「擺酒(バイ・ジャウ)」といい、10、20年前はチャイニーズレストランで披露宴を行うのが定番でしたが、今ではホテルやレストランで開くことが増えてきています。またインドアからアウトドアへ、夜からランチパーティーに移行しつつあります。
披露宴では、一般的に入籍から披露宴までの動画を流します。入籍した日に披露宴を行う方も多く、朝に撮影していた動画を夜に流すため、「朝拍晚播(ジウ・パッ・マン・ボゥ)」とも言います。さすが効率の良い香港人です。ほかにはゲームや写真タイムなどが設けられています。一方、日本のように親友や家族代表のスピーチはあまりないですね。
画像出典:The Vow | 婚禮場地
ご祝儀
香港では、招待状は披露宴に出席することを前提にお配りしているため、日本のように「出欠欄」ないです。招待状に「餅卡(ベン・カッ)」と呼ばれる結婚用お菓子セットの引換券が同封されることが多く、また、餅卡のみ渡されることもあります。諸説ありますが、昔男性が結納する際に、女性へ「嫁女餅(ガゥ・リョウ・ベン)」というお菓子を贈っていた、女性はそれを親族や友人に配り、お嫁に行くことを知らせるのが起源だと言われている。今では簡易化で餅卡になりました。
画像出典:【中式囍帖寫法+格式】派帖原來大有學問!結婚請柬囍帖14大注意事項
ご祝儀は披露宴の開催場所や参加するセッションによって変わってきます。
では、2022年の相場を見てみましょう:
ホテルやプライベートクラブ等 | HKD1,000〜1,500 |
カクテルパーティー | HKD800 |
チャイニーズレストラン・ランチパーティー等 | HKD800 |
婚姻届の提出を見届ける | HKD500 |
餅卡のみ受け取った | HKD300 |
金額はあくまでも参考であり、新郎新婦との親密度などによって変わってきます。
前編では「姉妹・兄弟(ブライズメイド・アッシャー)」の話も出ましたが、その「姉妹・兄弟」は親友が担当されることが多く[1] 、ご祝儀をあげる一方、お礼にお年玉が帰ってくることもあります。
また前述通り、「人唔到禮都要到(ヤン・ン・ドウ・ライ・ドゥ・イウ・ドウ)」といい、招待状をもらい、本当に出席できなくてもご祝儀を渡すのが一般的です。その場合、金額はおよそ相場の半分または7割程度です。こちらも気持ち次第ですね!
もう一つ注意していただきたい点として、日本では白いご祝儀袋を使いますが、香港では白は縁起が悪いため、絶対にNGです。赤いご祝儀袋に、右上が新郎新婦のお名前、左下に自分の署名、真ん中には祝福の言葉を書きます。また、封はせず、そのまま折り曲げたら大丈夫です。お年玉とは違う袋のため、文房具屋などでご祝儀用の袋を買ったほうが安心でしょう。
画像出典:人情利是封寫法|結婚祝福語、署名、格式寫法教學|中英文版結婚賀詞一覽
前編と後編で香港の結婚式や披露宴についてご紹介しました。
披露宴は日本とあまり違いはないですが、香港で披露宴に出席する際のご参考になれたら幸いです。