皆さん、「華富邨」(ワー・フー・ツュン)って聞いたことがありますか?
「華富邨」は香港の有名な団地です。60年代に人口増加に伴う住宅不足の問題を解消するために、香港島南区に建てられたのです。今の視点から見ると、山を背に海を望むという「背山面海」(ブイ・サン・ミン・ホーイ)の絶景ですが、当時は交通の便が非常に悪くて、そこに移住する人がなかなかいませんでした。でも、都市発展につれて、交通や設備が改善されて、80年代に人口が5万人以上の町になりました。
華富(一)邨の画像 出典:Wikipedia
最近、「華富邨」の再開発が決まったので、ニュースでもよく「華富邨」のことが報道されますが、「華富邨」の歴史を語るには、様々な都市伝説が欠かせないものです。今回は香港人の間で有名な「UFO事件」をご紹介します。
80年代(一説には1985年)のある夜、「華富邨」にある「華泰樓」(ワー・タイ・ラウ)という棟の上空に巨大な飛行物体が突然現れて、強い光や音、振動も発生しました。その後、飛行物体が徐々に上昇し、海へ飛んで消えたといいます。事件が発生した時、深夜ではなかったし、5万人もいる町だったので、「華泰樓」だけではなく、他の棟から目撃した人も多かったそうです。
事件当時のイメージ図 出典:無奇不有
事件発生までは、「華富邨」でUFOを見たという情報もありましたが、目撃した人は少なかったため、誰も嘘とかデマとか信じていませんでした。しかし、今回は目撃情報が多数あったので、一気に大騒ぎになり、その翌日に「華富邨」に訪れる記者もかなりいたそうです。
また、海へ飛んで消えるということは、宇宙とつながる出入口は空ではなく、海にあるかもしれないと考えられます。海と生命は常に関連しているため、宇宙からの生物が海を拠点にするのもあり得るとUFO専門家が指摘しています。この観点からすると、「華富邨」という海を望むところでUFOが目撃されたのもおかしくないでしょう。
現在でも「華富邨」でのUFO目撃情報がちょこちょこありますが、このように多数目撃されたものではないので、特に騒ぎになりませんでした。
以上、「華富邨」のUFO事件をご紹介しました。「華富邨」にはまだまだ都市伝説がたくさんあります。機会がありましたら、また紹介しますね!
【広東語の豆知識】
「UFO」という言葉は広東語で主に3つの言い方がございます。以下ご紹介します。
- UFO(ユー・エフ・オー)
「UFO」は世界共通の言葉ですが、広東語では発音が日本語のように「ユーフォー」ではなく、アルファベット1個ずつ発音して、「ユー・エフ・オー」と読みます。「ユーフォー」という発音だと香港で通じないので、お気を付けください。
- 不明飛行物體(バッ・メイン・フェイ・ハーン・マっ・タイ)
「UFO」の正式な名称です。日本語の「未確認飛行物体」という意味です。
- 飛碟(フェイ・ディプ)
「UFO」の別名です。日本語の「空飛ぶ円盤」という意味です。