2024年7月30日、香港トラムが120周年を迎えました!(パチパチ)
遡るとそれは1904年7月30日午前10時。
工務局長の夫人であるジョーンズ様が香港初のトラムを運転し、息子のジョーンズ・ジュニアが道すがらベルを鳴らして、そのベルの音が香港トラムの開通を示しました。
香港トラム120周年のメインビジュアル
出典:Hong Kong Tramways 香港電車Facebook
トラムの魅力を語り始めたらキリがないですが、今回は五つのキーワードに凝縮してお伝えします!
キーワード① 電車(ディン・チェー)
日本では「電車」は電力によってレール上を走る乗り物のことですが、香港では「電車」といえば、トラム一択で、トラムの正式名称でもあります。
別の鉄道や列車はそれぞれ名前が違うので、現地の人は使い分けています。そのため、「電車」とだけ言っても、勘違いされません。
キーワード② 叮叮(ディン・ディン)
叮叮(ディン・ディン)はトラムの愛称です。開通時のように、今でも電車が運転されると、ベルの音が「ディーン、ディーン」と響いています。そのため、「叮叮(ディン・ディン)」という愛称がつけられています。
ちなみに、専門用語として「倒叮」(ドウ・ディン)という言葉が存在します。これは逆方向に走るトラムのことです。基本、トラムは順方向にしか走らないですが、故障や事故などで前に進めなくなり、逆方向に走らざるを得ない場合、トラムの従業員がトロリーポールを逆方向にして、トラムが逆方向に走ることができるようにします。
トロリーポールの方向を変更中。あまり見かけない風景です。
出典:香港經濟日報TOPick
キーワード③ 120號(ヤッ・バッ・イー・サプ・ホウ)
トラムファンが絶対に見逃さないトラムといえば、必ず番号120番のトラムが挙げられます。
現在、トラムは総計165本あります。まるで身分証のように、全部番号がついています。故障や廃棄などの理由で入れ替わったり更新されたりすることもありますが、その中、120番は唯一戦後の内装や特徴をそのまま維持しているトラムです。座席や窓枠が木製で、運転も現在の最新式と違って手動の部分が多いため、運転できるのは資格がある運転手のみです。
トラムはそもそもどの番号がどの路線を走るかは決まっていないので、120番に出会えるかは運次第です。しかし、出会えたら、その日は絶対運がいいです!
120周年コラボキャラクター「マクダル」特別外装に一新された120番
出典:Hong Kong Tramways 香港電車Facebook
キーワード④ 健力士世界紀錄(ギン・レッ・シー・サイ・ガイ・ゲイ・ロッ)
「健力士世界紀錄」はギネス世界記録のことです。
香港トラムは「現役の2階建てトラムの車両保有数」でギネスブックの世界記録に認定されています。
2021年7月30日に行われた授賞式の様子
出典:香港経済新聞
キーワード⑤ 香港製造(ヒョン・ゴン・ザイ・ゾウ)
すべてのトラムは製造からメンテナンスまで香港で行われます。
香港工場内のトラム
出典:香港經濟日報TOPick
開通120周年をお祝いして、特別展覧会「叮叮故事:香港電車的 120 年」が8月30日まで、そしポップアップストア「香港電車120周年限定店」が9月8日まで開催されるので、機会があれば、ぜひ見に行ってくださいね!