香港は道教の文化にとても影響を受けている場所で、最も旧正月に市民が興味津々なのは、政府関係者が車公廟(チェーコン寺)へおみくじを引き、いわゆる香港を代表する「公式おみくじ」です。
車公とは、中国の宋の時代の将軍であり、南宋の末期に王を守るため、香港へ逃れ、のちに香港で病没します。彼の英勇なる忠烈を謳うために、当時の香港居民が道教の神として、奉るようになります。
香港人は車公が大好きです。植民地時代のイギリス領香港政府でも、旧正月に政府代表が車公へ「香港」のために、おみくじを引き、返還後の香港政府でも同じ習慣を持っています。
毎年おみくじを引いたときは、各メディアがおみくじの内容を報道し、香港人のお茶の間の話題となります。どのぐらい当たるのか? 2003年には「凶」を引き、その年にはSARS及び、基本法23条問題が発生。おみくじを信じるか信じないかはあなた次第です。
そして、今年の香港政府の代表が引いたおみくじの内容は:
下手須教一著先,世情局面苦徒然;
積薪歷火非無事,識者能知火未燃
車公のおみくじ内容は全て古文であり、基本的に隠喩で内容も曖昧です。個人の価値観や政治的立場によって解読も違います。
例えば、人によっては「官僚と市民が話し合えば、香港の艱難辛苦もなくなり、疫病もすぐ過ぎ去る」また、別の人によっては「政府の行うことは骨折り損のくたびれもうけで、方向を間違え、市民の怒りは大爆発。」
どの立場からでも、香港人は車公を「味方」につけたがる傾向があり、とても面白い現象です。
日本香港人協会編集部