2022年2月3日から一ヵ月にわたり、《13・67》の読書会を開催いたしました。最終日の3月3日には、日本語セッションと広東語セッションを交えながら、交流会も開催いたしました。
ご参加者様に事前に《13・67》を読んでいただき、読書会では香港の背景や歴史について学んでいきます。香港に行ったことなくとも、《13・67》を通じて香港について深く知識を得たのではないでしょうか。
書籍のあらすじ
現在(二〇一三年)から一九六七年へ、一人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(二〇一四年)を経た今、一九六七年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。
香港の作家・陳浩基の小説『13・67』が「週刊文春ミステリーベスト10」と「本格ミステリ・ベスト10」の海外篇で第1位となった。『13・67』は、2014年に台湾の出版社から刊行され、台北国際ブックフェア賞(小説部門)と第1回香港文学季推薦賞を受賞しているミステリー小説。名刑事の警察人生を遡りながら、香港現代史の光と闇を描く。香港の映画監督ウォン・カーウァイが映画化権を取得している。
四週続いた読書会では、最終的にオンラインとオフライン形式でハイブリッド化させ、ご参加者様にご自由に選択していただく形をとりました。
最終日の3月3日には、横浜綱島にある香港料理店の「八十港」にて日本語セッションと広東語セッションの交流会も行いました。
交流会では、《13・67》の感想を語り合ったり、新たな交流を持つことによって、ご参加者様たちも読書好き、そして香港好きの仲間ができたかと思います。
また香港料理に浸りながら、広東語を交えた会話に、香港の雰囲気を堪能できたかと思います。
改めて、この度はご参加いただいたご参加者様及び、今回の日本語セッション講師を務めていただきました東京大学の阿古智子教授、そして広東語セッション講師であるジャーナリストの関震海さんへ心より感謝申し上げます。私達は引き続き、様々な日港文化交流のイベントを開催いたしますので、ご支援いただけますと幸いでございます。