海外に行くとき、ご当地有名なお寺や教会にも行きますよね?逆に言えば、香港人を含め、外国人が日本の神社やお寺を巡ったり、おみくじを引いたり、お守りを買ったりするのと同じです。建築物を鑑賞する人もいれば、旅先の風俗習慣に興味を持つ人もいます。今回は香港で最も有名な「打小人(ダー・シウ・ヤン)」を紹介し、おまけに縁結びの姻縁石(ヤン・イュン・セッ)の話もしちゃいます!
打小人(ダー・シウ・ヤン)とは
一言で説明すれば、人型流しに近いものです!(笑)
小人(シウ・ヤン)とは君子(グヮン・ツィー)の反対で、人の陰口を言ったり、人を蹴り落そうとしたりする陰湿な人のことを指します。打(ダー)は動詞で、ここでは叩くという意味です。つまり、職場など周りに潜んでいる、自分に悪い働きを企む人たちを除去する儀式です。穢れを落とすことや厄払いに類似します。
本来、打小人は啓蟄(けいちつ)に行い、その起源は祭白虎(ザイ・バッ・フー)です。啓蟄は長い寒い冬が終り、森の動物や虫の冬眠が終え、再び地上に出てくる日と言われています。中には、凶暴な白虎もいて、食べ物を探すのに人を攻撃したり、噛んだりなどするため、それを防ぐのに食べ物を用意するのです。啓蟄に供え物を用意することが祭白虎となります。次第に駆除する対象が白虎から小人になり、儀式も供え物から叩くことに変化しました。今では、啓蟄に打小人をする人も多いが、暦日にこだわらず、普通の日にもする人がいます。
啓蟄に鵝頸橋底で打小人の人々
打小人は職業?
打小人は一般的にちょっと年配の女性(おばさんかおばあちゃん)に頼みます。近年では男性や若い女性もするようになっています。これをメインの収入源とする人も多く、打小人の場所は高架橋下のような暗い所が良いと言われています。香港で最も有名なのは鵝頸橋底(ンォ―・ゲィン・キウ・ダイ)です。そこは暗い上に、三又の道路に面しているため、打小人には最適とされています。啓蟄にはたくさんの人が訪れ、普段は外国人も見られます。
打小人したいときは、おばさんに頼みます。おばさんは人型の紙を渡してくれます。その上に「攻撃」したい人の名前を記入しても可能ですが、大体の人は指定せず、周りにいる良くないものや人が離れるようにだけします。それをおばさんに伝えたら、おばさんはレンガの上に人型を置き、古いスリッパか靴で人型をひたすら叩きます。おばさんが呪文のような言葉を唱えながら叩くのが特色です。叩く身体部位に合わせて、韻を踏んだ呪い言葉をかけます。最も有名なのは「打你個小人頭,打到你有氣無得透!打你個小人腳,打到你無鞋挽屐走!」です。意味は「この悪い者の頭を叩く、そうすれば息しようともできぬ!この悪い者の足を叩く、そうすれば私の側から逃げるように散る!」です。この言葉を聞いたことがない香港人はいないくらい有名で、言える人も多いので、発音が気になる方は香港人に聞いてみてくださいね!
悪い者を駆除したら、次は縁結びですね。日本には縁結び神社が多くあるように、香港にも多くの縁結びスポットやお寺があります。今回は最も有名な姻縁石(ヤン・イュン・セッ)を紹介します。
香港島寶雲道(ボウ・ウヮン・ドウ)にある姻縁石です。石の形がペンスタンドに置いているペンに似る説、髻(もとどり)に似る説や男性器に似る説などがありますが、恋人同士を結ぶことに変わりがないようです。
姻縁石の背景はなんと日本人と関係あると言われています。第二次世界大戦後、ある日本兵が香港人女性と恋に落ちたが、家族に反対され、二人は駆け落ちしました。二人はしばらく山に身を潜めていたが、食糧が尽きたので二人は餓死してしまいました。二人が身を潜めた場所が今姻縁石のある場所だと言われています。二人が亡くなったあと、香港島北角(バッ・ゴッ)付近に住んでいる女性の夢に現れ、愛し合う人々を結ぶことを承諾したそうです。それから姻縁石が有名な縁結びスポットになりました。
今回は香港人がよく厄払いをする儀式と縁結びスポットを紹介しました。香港に訪れた際は是非寄ってみてくださいね。もしかしたら、それらを巡るうちに、運命の人と出会っちゃうかもしれませんよ!