香港のグルメといえば、飲茶あるいは点心を思い浮かべる人が多いでしょう。今回はシリーズの第二弾として、香港の茶樓(チャー・ラウ)を紹介したいと思います!
ミニミニ広東語コーナー
飲茶(ヤム・チャー)は文字上「茶を飲む」とのことで、點心(ディム・サム)を食べることは含まれません。ですが、今は食べる意味もあり、去飲茶(ホイ・ヤム・チャー)つまり「飲茶に行こう」というのは、茶を飲み、食事もするということになります。去〇〇は「〇〇に行こう」という意味で、本来ならば〇〇は場所が入るのが自然で、飲茶ですと、茶樓(チャー・ラウ)が当てはまります。日本語で「焼き肉行こう」や「飲みに行こう」のように、場所を言うより、ジャンルで言うほうが自然な場合もあります。
茶樓の歴史と営業時間
遡れば、茶樓は清朝後期に広州で現われはじめたと言われています。後に香港にも伝わり、現在は閉店しましたが、香港最古の茶樓は1846年に開店したとされています。茶樓は名前の通り、お茶を飲む、點心を食べる場所です。多くの営業時間は早市(ゾウ・シー)、午市(ンー・シー)と下午茶(ハー・ンー・チャー)の三つに分けられます。一方で、酒樓(ツァウ・ラウ)は晩市(マン・シー)と酒宴(ツァウ・イィン)を中心に営業しています。今は茶樓と酒樓の両方をやるところも多いが、昔の茶樓の営業は下午茶までです。今回茶樓がメインのため、酒樓の説明はまた機会があるときにいたします。茶樓は基本的にお茶と點心を提供する飲食店で、店や時間帯によってガッツリ主食メニューを提供するところもあります。また、近年は點心専門店も増え、夜ご飯としても、宵夜(シウ・イェー、夜食)としても食べられるようになりました。また、茶樓では一般的に點心のテイクアウトはできませんが、點心のテイクアウト専用店もあります。

《茶.壺.緣》より写真引用
・早市(ゾウ・シー)
開店から午前十一時までの時間帯です。1850年代の茶樓は朝四時から営業し、八時あたりがピークで、仕事に行く前に寄る人が多いです。今は朝六時から八時の間に開店する茶樓がほとんどで、年寄りの方が朝の運動後に行くことが多いイメージです。早朝割引のある茶樓が多いです。
・午市(ンー・シー)
十一時から二時か二時半までの時間帯です。1850年代から商談の場所として使われ、今でもそのように使う人がいます。また、同じ職場の人が一緒にお昼を食べる店としても多く使われます。値段は割引されることが少なく、代わりに大人数向けのセットメニューや、大皿料理のチャーハンや焼きそばのメニューがあります。
・下午茶時段(ハー・ンー・チャー・シー・デューン)
午市が終ってから午後五時から六時の間までの時間帯です。これも香港の三點三(サム・ディム・サム、15時15分)文化に合わせたと考えられます。以前、茶樓のみの営業はここで終了し、午後四時くらいで閉店します。茶樓と酒樓の両方を経営するお店は午市と晩市の間を下午茶時段とします。この時間帯も割引の値段がある茶樓が多いです。
茶樓といえば一盅兩件(ヤッ・ジョーン・リョーン・ギィン)
茶樓といったらこの言葉です。一盅兩件とは、盅は以前の茶樓でのお茶を入れる道具で、お茶を数えるときの助数詞でもあります。件は點心を数えるときの助数詞です。まず茶樓では、お茶を頼まなければなりません。最初のオーダーでお茶の種類を頼み、そのあとお湯のおかわりは自由です。おかわり自由なワンドリンク制のようなものです。これゆえ「一盅」です。點心は種類によりますが、一皿二から四件が入っており、一人の場合は一皿、二皿くらいでかなり満足できます。これゆえ「兩件」です。つまり、一盅兩件は茶樓での最もお得な頼み方です。また、この言葉を香港人に言ったら、おそらく大半の人はおじいちゃんが、(時にはおばあちゃんと一緒に)茶樓で新聞紙を広げてゆっくり読みながら、一人でお茶と點心を楽しんでる姿を想像するでしょう。なぜなら香港では多くのお年寄りの方々は朝に公園で運動する習慣があり、そのあと茶樓に行くことが多いからです。しかし點心はカロリーが高いものが多く、お腹いっぱいにもなりやすいため、年配の方で何皿も頼む人は少ないのです。また、よく茶樓行くとなりますと、出費も重なりますので、そこも香港人らしく、金銭面に気をつけるのです。出費が気になるなら行かなければいいじゃないという疑問もありますが、すでに習慣化したことなので、晩酌の習慣がある人と同じように、なかなかやめられないのです。

今回は短く茶樓の歴史と営業時間について簡単に説明しました。次回は茶樓での「作法」とその理由などを説明いたしますので、乞うご期待ください!