新年を迎えて、早いものもう2月ですねと嘆く人がいるかもしれませんが、香港では旧正月を過ごす習慣があるため、今からこそまさに本番の「新年」です。年に一度の大事な祝日に、香港人はどのように過ごすか、日別で見ていきましょう!
※2024年の旧正月は2月10日から始まりますが、毎年暦法によって変動します。基本1月下旬~2月上旬に始まることが多いです。
年廿八(ニン・ヤー・バーッ)
年廿八は旧正月の三日前(暦法によって二日前)です。
この日は大掃除こと「洗邋遢」(サーイ・ラッ・ターッ)の日です。前の年にさよならをする意味も含めて、要らないものを捨てて、部屋をきれいにして、新しい一年の幸運を迎えます。
前の年に悲しいことや悪運などがあった場合、そのことの象徴的なものをこの日に全部捨てましょう!
また、靴を買い換えたい場合も、旧正月を迎える前にやりましょう!広東語では、靴の「鞋」(ハーイ)は発音が嘆きの「唉」(アーイ)と似ているので、旧正月後に靴を買うことがよくないとみられています。
年三十(ニン・サム・シャープ)
年三十は旧正月の大晦日こと除夕(ツゥイ・ジェッ)です。
この日は家族団欒の日なので、夜になると、家族が集まって、一緒に「團年飯(トュン・ニン・ファン)」を食べます。
その後、旧正月の雰囲気を一歩先に味わうために、「年宵花市(ニン・シゥ・ファー・シー)」にもよく行きます。
團年飯のメニューと年宵花市の詳細は前のブログでもご紹介したことがあるので、ぜひ一読ください。
食の香港シリーズSP 旧正月の食卓編:https://jphker.org/ja/2022/01/lunar-new-year-dishes/
香港年宵:https://jphker.org/ja/2022/01/newyear-hk-market/
また、香港有名な神様の黄大仙(ウォン・ダイ・シン)に一年の恩恵を願うために、年三十の夕方から「黄大仙祠(ウォン・ダイ・シン・チ)」の外で並んで、「上頭炷香(ション・タウ・ジュー・ヒョン)」を狙う人も多いでしょう。
「上頭炷香(ション・タウ・ジュー・ヒョン」とは新年(旧正月)初のお線香をあげることです。年三十の11時から年初一(元旦)の1時にあげるお線香は一番ご利益が強いと言われています。ただし、一番乗りを狙ってお線香を持ちながら神様の像の前まで走る人もいるので、危ない場面も毎年あります。
「上頭炷香」の様子 出典:大紀元
年初一(ニン・チョー・ヤッ)
この日は旧正月の元旦です。
この日から「拜年(バーイ・ニン)」のピークです。
「拜年」とは親戚や友達の家に行き来して、お互いに新年の挨拶をすることです。その中、「逗利是(ダウ・ライ・シー)」(お年玉をもらう)が大事にされている行いです。香港のルールでは、お年玉は基本的に既婚者が同輩の未婚者や後輩(既婚と未婚関係なく)に配るものなので、子供だけでなく、大人も遠慮なくもらえます。
出典:香港01
年初二(ニン・チョー・イー)
旧正月の二日目。
「拜年」が続きます。
またこの日は、香港の人気神様「車公(チェー・ゴン)」の誕生日なので、「車公誕(チェー・ゴン・ダン)」という祭りが「車公廟(チェー・ゴン・ミウ)」(車公を祀るお寺)で行われます。前の年が運が悪かったと思ったら、この日に「車公廟」へ行って、「車公」の風車を回して、「轉運(ジュン・ワン)」(運の流れを変更)します。
「車公廟(チェー・ゴン・ミウ)」にある風車 出典:HONGKONGD
夜になったら、干支の柄などが入っている新春花火がビクトリアハーバーで打ち上げられるので、ビクトリアハーバーの両側が盛り上がります。
年初三(ニン・チョー・サム)
旧正月の三日目。
旧正月の伝統では、この日は「赤口(チェッ・ハウ)」という日です。この日に「拜年」するとけんかしやすいので、「拜年」せずに家でのんびり過ごす人も多いでしょう。
また、「車公誕」は年初二ですが、あえて「拜年」しない年初三に「車公廟」に行く人も少なくないです。
ちなみに、新春競馬こと「賀歲馬(ホー・スエイ・マー)」がこの日に開催されますので、旧正月のうちに大儲けを狙う人はお見逃しなく!
年初四(ニン・チョー・セーイ)
旧正月の四日目。
旧正月の三が日が終わって、この日から通常の日常に戻ります。
楽しい休日を終わらせたくないという気持ちから、「年初四咁嘅樣(ニン・チョー・セーイ・ガム・ゲ・ユォン)」ということわざが生まれました。
直訳すると、年初四のような顔という意味です。それはどんな顔なのかと疑問を持っている方は、楽しい休日が終わったし、お金も使い切ったし、会社にも行かなければいけない状況を想像してみてください。簡単に年初四のような顔が出せますよ!
出典:LINE TODAY
通常のお正月と旧正月、年に二回新年を迎えますが、それぞれ楽しみ方が違うので、毎年飽きずに楽しんでいる方も多いでしょう。この時期に香港にいる方は、旧正月を存分に楽しんでくださいね!