このシリーズでは普段は東京にある香港レストランを紹介していますが、今回は東京を離れて横須賀に行き、香港人のYukieさんと日本人の翔さんが経営する香港茶餐廳「Hong Kong Cafe A Better Tomorrow」を紹介します。
橫須賀の唯一香港レストラン
横須賀は神奈川県南東部の三浦半島に位置していて、東京駅から電車で横須賀駅まで1時間15分ほどがかかります。横須賀はアメリカ海軍と日本海上自衛隊の基地があるため、多国籍文化が混在しています。私たちは今回ここで「Hong Kong Cafe A Better Tomorrow」という香港茶餐廳を発見しました。
香港人のYukieさんと日本人の翔さん夫婦は横須賀に6年間住んでいて、普段から香港料理でも作っています。横須賀にはいろんな料理のお店があり、香港茶餐廳でも開こうと考えていました。開店当初は多くの客が香港料理について知らず、メニューにある沙嗲牛肉(サテ牛肉)や牛腩麺(牛バラの煮込み麺)などはどんな味かも分からず、興味本位で食べに来る人が多かったとのこと。しかし、横須賀の多文化に慣れた客は新しいものを受け入れやすく、香港料理の独特な味を気に入ってくれているそうです。
香港映画と模型銃が大好き
店舗の名前「A Better Tomorrow」は香港映画『英雄本色』から取られたもので、翔さんが最も好きな香港映画であり、ポジティブな意味を持つことから、この名前で開店することを最初から決めていたそうです。翔さんは香港映画が好きなだけでなく、模型銃にも興味があり、店の近くで定期的に模型銃のイベントを開催し、同じ興味を持つ友人たちと交流しています。また、イベント限定のメニューも用意し、香港の料理について知ってもらう機会を作っています。
「自分勝手」なメニュー 食べたかったら作る
「A Better Tomorrow」のメニューには、香港人が普段からよく食べる料理が多くあります。例えば、豉油王炒麺(醤油炒め麺)、乾炒牛河(牛肉の炒めフォー)、菠蘿油(パター付きパインアップルパン)、酥皮蛋撻(パイ生地のエッグタルト)などです。メニューの決め手について、Yukieさんは、「自分が食べたいと思うものを作っている」と語っています。彼らはまた、オリジナルの料理も考案しています。例えば、叉雞(チャーシューとチキン)に冷麺を合わせたメニューなどです。夏には紅豆冰(アイスあんこミルク)や楊枝甘露(ヨンジーガムロゥ)などの季節限定のスイーツも提供しています。また、牛腩麺(牛バラの煮込み麺)の注文があればできるだけ対応し、日本で作るのが難しい海鮮料理については、特別に取り寄せる必要があるため、新鮮さを保つために数量限定としています。菠蘿油は発酵の工程が複雑なため、1日に5個のみの販売となっています。
一人一人のお客様を忘れず
翔さんは「すべての客人をよく覚えている」と話していました。彼は、お客様がそれぞれのストーリーを持っていて、客との会話は毎回特別な思い出になると考えています。また、東京から毎週わざわざ来店する常連さんもいることに感謝の気持ちを抱いています。Yukieさんと翔さんは香港の人々に初心を忘れず頑張ってほしいと願って、日本の人々には現在の自由を大切にしてほしいと言っています。もし香港や香港映画が好きであれば、ぜひ横須賀の「Hong Kong Cafe A Better Tomorrow」に来て、食事をしながらお話ししましょう。
Hong Kong Cafe A Better Tomorrow
住所:〒239-0807 神奈川県横須賀市根岸町2-20-12九龍ビル
電話:046-837-7266
営業時間:11:30-15:30,16:30-19:00,月火休
Instagram: https://www.instagram.com/hkc_abt/
X: https://twitter.com/hkabt1126