浅草にある香港ローカル料理
人情味溢れる下町、浅草。国内外の人にも大人気な観光スポットであり、地元の方にとっても大衆食堂でもある場所です。賑やかな浅草寺を離れると住宅地に近い場所に控えな香港レストレランがあります。「火炎 香港創作料理」を取材するこの日は営業再開の日で、オーナーシェフの鄧日成さんは開店の準備をしていました。
多くのの香港人と同じく、オーナーは漫画やゲームなどで日本の文化と触れ合うようになり、26才のときには熱意と意欲を抱えて来日し、パン作りを学び始めました。パン作りの見習いをしていたときに、ホテルで洋食を作ることもありました。そのとき東京に本格的な香港料理がないことに気づき、自身で料理をすることによってやっとの懐かしさを取り戻せたそうです。そんなオーナーはネットやレシピ本を参考に、独学で中華料理を学び磨き、自身のお店を開き、本格的な香港の味を再現することになりました。お店の名前に火の要素を入れると繫盛すると信じているオーナーは、お店の名前を「火炎」と名付けました。
斬新さに大胆不敵 自分に忠実
開業して三年、火炎の当初の位置づけはチャーハン専門店だったが、店名に付けた「創作料理」という文言は、オーナーが柔軟性を残したかったからでもありました。新たな料理を研究:「新鮮感を保つためにも、新たな料理を作ることが、自分の原動力でもある」火炎のFacebookページでは、メニュー表以外にも不定期に新たな料理が紹介されます。だが、オーナーの創作料理の道は平坦ではないものです。
中華料理への印象が、日本の中華料理の印象のままで止まっている日本人は少なくありません。新しく開発した料理を日本人のお客様に試食していただいたが、反応はイマイチな経験もあったり、何度もメニューを変え、様々なお客様に試していただいたこともあったりという。最終的にオーナーは自分自身の信じ、メニューの中にある料理は一つ一つ厳選されているという。今では様々なお客様に賞美されるようになり、始めの頃は台湾人のお客様から、のちに香港人のお客様に発掘されるようになりつつ、香港が大好きな日本人も訪れるようになり、口コミで少しづつ広まっていきました。
塩漬け魚と鶏肉のチャーハン:さっぱりとしたチャーハンは、とても香ばしい。塩漬け魚を中華鍋に入れた途端、お店の中も外でも塩漬け魚の香ばしい匂いにそそられ、匂いだけでもヨダレがたれそうなぐらいだった。塩漬け魚の香ばしい味だけでなく、さわやかな生姜の細粒も味わえます。
椎茸と鶏肉の蒸し料理:しいたけは香ばしくて滑らか、調理時間がちょうどよく、鶏肉の柔らかい食感とジューシーさが保たれ、しいたけと鶏肉のうま味がたっぷりなタレはご飯にかけて食べるとピカイチです。
牛肉フォー炒め:中華鍋の風味に色と香りに溢れ、 牛肉は柔らかく滑らかで、フォーの色はバランスが取れている。箸で挟んだ途端、ひっつけたりせず、でもさっぱりし過ぎず、油っぽくなく、皿底には余分な油もない。事前にフォーを一本ずつ引き裂くことによって、出てくる効果です。
ジャスミン茶ライチアイス:オーナーが自作したデザート、お茶の味が濃く、ほんのりライスの甘味があります。
態度を磨き、技術を試練
香港の味を再現するのに最も困難な点は?と聞かれた成さんは、様々な料理のプロセスとコスト問題のバランスだという。繊細なエビ餃子を例にとると、素材はシンプルだが、テクニックは複雑であるという。
蒸した後の透き通ったエビ餃子の皮は、浮き粉、片栗粉と水との比率にこだわりがあるのだが、香港と日本の澄麵の銘柄によって違いがあり、そのため、最高かつ正確な比率を得るために、試行錯誤を重ねたという。そして、エビ餃子の皮を「平ら」にする手作業から形を「耳」にするまで、日々の練習が必要であり、徐々に経験を積み重ねて完璧にこなすまで、1年半の試行錯誤の末、やっと出品できるようになったという。彼の粘り強さは本当に素晴らしいものです。
また、オーナーは、日本人は食べ物の見た目を気にするという。「まずは見た目から始めなければならない」。そのため、盛り付けや飾り付けを少し変えるなど、工夫しているという。しかし、味に関しては日本人には合わせないという。「最初は味に関して多くの工夫を行ったが、香港人の味からかけ離れてはならない。でも同時に日本人にも違和感のないようにしなくてはならない」と語ってくれました。
リモートで切り替わり、外食も減ったコロナ禍で、もちろん大打撃を受けているのは飲食業で、火炎も例外ではありません。コロナの影響で、お店の近くで仕事していた日本人客も減り、火炎も一年半の休業を余儀なくされたという。休業期間中、オーナーは手足を止めることなく、より一層の技術を求め、昼夜を問わず料理の腕を磨き続け、営業再開に向け、最高の料理技術を楽しんでもらいたいと考えていました。再開されてからは、より多くの日本人に香港料理の味を楽しんでもらえることを期待しているとおっしゃいました。